リフォームの前に住宅診断(ホームインスペクション)のススメ

リフォームやリノベーションは、居住空間を改善する目的で行うものですが、場合によっては改善できないこともあります。なかには、工事が始まってから改善できないことがわかったり、改善するために追加費用が必要になったりというトラブルも…。

 

こうした事態を未然に防ぐ一つの方法が、「住宅診断(ホームインスペクション)」というサービスの利用です。住宅診断とは、どのようなサービスなのでしょうか。リフォーム前に住宅診断を利用するメリットを解説します。

 

 

住まいの健康状態を把握する「住宅診断」とは

 

住宅診断を簡単にいうと、既存住宅の現状を検査するサービスのことで、いわば「家の健康診断」といえます。

 

診断してくれるのは、「住宅診断士(ホームインスペクター)」という資格を持った専門家。資格試験をパスした人だけに与えられる民間の資格です。この専門家が、建物の外観や室内、屋根裏や床下などを隈なくチェックし、修理が必要な箇所や修繕方法、それにかかるおおまかな費用を、中立公正な立場でアドバイスしてくれます。

 

リフォームだけでなく、新築や中古住宅の売買契約時にも利用されるサービスで、欠陥住宅の購入リスクを避けたり、資産価値を高めたりすることを目的に活用されています。

 

利用料は検査項目などによって異なり、通常の目視診断であれば5~7万円くらいが相場で、機材を使用して詳細に診断する場合は10万円以上かかります。

 

 

リフォーム前に住宅診断を実施するメリット

 

リフォームやリノベーションを検討されている方が、住宅診断サービスを利用することにより、「予算オーバーを防ぎやすい」「希望のリフォームができるか判断しやすい」といったメリットが享受されます。

 

予算オーバーを防ぎやすい

 

住宅診断では、建物の劣化状態や不具合を調査するだけでなく、リフォームやリノベーションをする際に補修すべき箇所も把握できます。これによって、リフォーム工事を始めてから修繕箇所が判明するといったトラブルや、追加費用がかかるといったケースも未然に防げ、予算オーバーを防ぐことにつながります。

 

また、住宅診断士は修繕費用の目安などの知識も持っているため、適正な工事費用でリフォーム・リノベーションを実行することにも寄与するでしょう。診断結果を見て、建て替えた方が良いかという判断もしやすくなります。

 

希望のリフォームができるか判断しやすい

 

現状の住まいの状態から、希望するリフォームプランが実現できるかという点も、住宅診断で把握できます。たとえば、床下が腐食したりシロアリ被害があったりすれば、基礎から建て直す必要があるため、リフォームだけでは対応できません。

 

住宅診断の結果をもとにリフォーム会社とプランニングしていくことで、実現可能なリフォームの提案を受けられるようになるでしょう。住宅診断士も住まいのプロとして、「どこに、どれくらいのコストをかけると良いか」など、リフォームプランの相談に乗ってくれることもあるようです。

 

 

住宅診断の具体的な診断項目

 

住宅診断の項目は、多いところで100項目以上のチェックリストをもとに、診断してくれます。どのような部分をチェックしてくれるのか、その一例をピックアップしました。

 

外回り

 

建物の外から、外壁や屋根、基礎などを細かくチェックしていきます。

 

外壁だと、ヒビ割れや欠損、コケやカビの状態、チョーキングやタイルの浮きがないかなど確認します。屋根は双眼鏡などを用いて、瓦のズレやシミなどをチェック。雨どいの状況も確認します。基礎も、ヒビ割れ、欠損、傾き、コケやカビの状態を外から見える範囲でチェックします。

 

室内

 

室内は、見える範囲はもちろん、診断士が五感をフルに使って確認していきます。

 

診断士なら天井や壁、柱にヒビ割れがある場合、その入り具合から建物が傾き具合を確認できるそうです。床も、実際に歩いてみて傾きがあればチェックします。また、ドアやサッシ、雨戸、シャッターなどの動作状態より建付や家の傾きを確認するほか、階段の沈みやきしみ、ロフトや収納スペースなどの小部屋の状態などもチェックされます。ドアがきちんと閉まらないと、家が傾いている可能性もあるため注意が必要です。

 

屋根裏(天井裏)・床下

 

一般的な住宅診断サービスでは、屋根裏と床下は点検口などから覗いて確認する目視診断になります。内部に入って詳細診断してくれるところもありますが、オプション(別途費用)になることが多いので、あらかじめ確認しましょう。

 

屋根裏のチェック項目は、柱や梁のヒビ割れ、雨漏りや金物の状況、シロアリ被害の有無など。床下は、土台や基礎のヒビ割れ、シミ、シロアリ被害の有無などがチェック項目です。床下は点検口がない場合、畳を外して入ることもあります。

 

詳細診断では、柱や梁など木材含有水分率の測定、部材や接合部の腐朽、床組みの腐食など、リフォームでトラブルになりやすい箇所も、入念に検査してくれます。また、上下水管など配管の勾配も調べてもらえます。勾配が十分でないと詰まりが生じて、逆流や水漏れが起きるといったこともあるようです。

 

設備

 

給湯器や換気扇、火災報知機、給水・排水などの設備も、実際に動かしながら確認します。

 

換気ダクトが詰まっていたり、接続不良があったりすると、奥が黒焦げになった跡も見られるそうです。そのまま放置していると、場合によっては火災を起こすこともあるので、確認してもらいましょう。

 

このほか、配水管の水漏れやつまり、給水量の過不足、動作不良などもチェックされます。

 

 

診断後は報告書を作成し提出してくれる

 

住宅診断が一通り終わると、不具合や問題点がある箇所などを原因と対策を含めてアドバイスしてくれます。このとき不明点があれば、遠慮なく質問しましょう。

その後、診断結果を書面で記載した報告書が郵送されてきます。図面や写真のデータ、メンテナンス資料なども送られてきますから、大切に保管しておきましょう。

 

 

まとめ

 

住宅診断は、リフォーム工事でトラブルを未然に防ぐうえで、第三者の専門家がサポートするサービスでもあります。住宅診断を利用することで、本当にリフォームが必要な箇所も把握できますし、予算組みやプランニングの際にも有効活用できるでしょう。

 

なお、サービス提供会社によってはリフォーム工事中でも検査してくれるところもあります。工事に関して不安がある方は、サービス提供会社に相談してみてはいかがでしょうか。